ブレスケス氏、IFHAの副会長に選ばれる(香港)
 

 国際競馬統括機関連盟(International Federation of Horseracing Authorities: IFHA)は3月27日の執行協議会にて、3人の副会長の1人に香港ジョッキークラブの最高経営責任者ウィンフリード・エンゲルブレヒト=ブレスケス氏(Winfried Engelbrecht-Bresges)を選出した。

 ブレスケス氏はIFHAの国際格付・番組諮問委員会(Grading and Race Planning Advisory Committee: GRPAC)の副委員長を引続き務める。

 IFHAのルイ・ロマネ(Louis Romanet)会長はこの展開を歓迎しつつ以下のように述べた。

 「ウィンフリードは素晴らしい成功をおさめた香港競馬界の指導者で、競馬について博識であり、国際レースの発展における貢献者である。彼は急成長を遂げたアジア競馬界を代表するIFHAの副会長として今後大きな役割を果たすでしょう。」

 ブレスケス氏はこの選出を受けて、「IFHAの副会長に選ばれたことを大変名誉に思っております。競馬は以前よりも世界的なスポーツとなりました。各競馬統括機関の共同運営をさらに促進し、世界における香港競馬への興味もさらに促すよう、この役職を務めるつもりです。」と述べた。


[HKJC Media Release 2007年3月28日「Club CEO elected IFHA Vice Chairman」]

 
ハッピーヴァレー競馬場、毒矢事件、内部犯行か(香港)
 

 香港のハッピーヴァレー(Happy Valley)競馬場で、3月21日の開催前に発覚した毒矢による妨害未遂事件が内部犯行ではないかと懸念される中、警備が一段と強化されつつある。

 香港の中心に位置するこの競馬場の1,200 mのスタート地点の芝の中に、12個の精巧な発射装置が埋め込まれていたことが定期点検で明らかとなった。

 低俗な犯罪小説を連想させるこの事件では、リモコンで作動する毒矢発射装置が走路を横断するように等間隔に埋められていた。これは、組織犯罪関連の陰謀と考えられている。

 金属製パイプは、1フィート(約30センチ)の長さで、リモコンによる無線受信機に接続されていた。液体の入った注射器が圧縮空気で馬の下腹めがけてパイプから飛び出す仕掛けであったと報告されている。

 この装置については、その液体が馬の競走能力に影響を与えるものであるのかを判定するための法医学検査を行っているが、その結果は明らかにされていない。

 警察関係筋は「推測に過ぎませんが、この犯行が少し馬を落ち着かせること以上の意図があったとは思えません」と語っている。

 香港ジョッキークラブ(Hong Kong Jockey Club)はその動機に“当惑している”と言われているが、消息筋を含む匿名の情報源から様々な見方が寄せられた。

 別の警察関係筋は現地の新聞に対して、「馬の走行にブレーキを掛けることができても、それが普通のレースのように見え、しかも本命馬が勝利できなくなることもあり得る。秘密結社がこの犯行にかかわっていることは十分にあり得るし、特にジョッキークラブ以外で闇で行われている賭事についてはそう言えるだろう」と述べた。

 しかしながら、別の当局者は本命馬を妨害するような単純な賭事関連の犯行とは考えられないと主張した。その理由は、装置がいずれかの馬ではなくて発馬機の中のどの馬にも発射されるように置かれていたからである。

 「毒矢が当たると馬は驚愕し、クラブは間違いなくレースを中止しなければならないだろう。この推測により、私たちは違法ブックメーカー関与の可能性も否定しました。現在私たちは、犯人が警備当局あるいはクラブの安全確保を脅かすことを目的としていたという推測をもとに捜査中です」と語った。香港ジョッキークラブは警備員と警備犬を動員して競馬場の安全管理を強化している。

 捜査官はサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)紙に「私たちは今までこのような事件に遭ったことがなく、装置がどのように機能するのかさえ確かではありません。大変に複雑な装置で巧妙に作られています」と語った。

 タン・キングシン(Tang King-shing)警察長官は3月22日、香港ジョッキークラブの最高経営責任者ウィンフリード・エルゲルブレヒト=ブレスケス(Winfried Engelbrecht-Bresges)氏に対して、この事件を最優先事項として取り扱っていることを強調した。

 香港ジョッキークラブは発馬機の各枠の正確な位置について十分な知識を持った者だけが、このように装置を正確に設置することができるという点に関心を持っていると思われる。

 香港ジョッキークラブの保安担当常務理事ステファン・チャンドラー(Stephen Chandler)氏はサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙に「これを内部の犯行と決めるのは時期尚早であるが、犯人が周到に準備し、綿密な調査をしたことは確かです」と語った。

 この事件についての情報提供には懸賞金が出されるだろう。チャンドラー氏は「私たちはこの特異な事件に過剰反応し、一般の人々をハッピーヴァレー競馬場の施設から遠ざけたくありません。この競馬場は人々のためのものなのです。しかし、私たちはこの事件を真剣に取り扱っているのかと問われれば、その答えは絶対にイエスです。現在しようとしているのは、保安システムが十分に強固かどうか確認することですが、同時にレースを施行するという本来の目的上、コースが安全であることを確かめることです」と述べた。

 3月21日、香港ジョッキークラブの馬場管理者ジャクソン・ウオン・チャックシュエン(Jackson Wong Chack-shuen)氏がこの装置を発見した。

 「私はいつものように競馬場の見回りをしていました。そしてその時に何か異常な物が地面に埋められているのに気づきました。それを少し調べた後、監督者を呼びました。彼は警備係の応援を求め、最終的に警察も呼ぶことになりました。私たちはこの装置から出ているリード線をたどり、これに繋がったバッテリーを見つけることができました」と同氏は語った。

 エンゲルブレヒト=ブレスケス氏は、装置が作動していたら、全ての馬に向けて同時に毒矢が発射されただろうと述べた。同氏は「私はずっと競馬に係わってきましたが、このようなことに遭ったことはありません。これはプロの仕業です。走路を横断する溝を掘って、発射管を埋め込むのに2〜3時間は要したに違いありません。前代未聞の悪だくみです」と語った。

By Nicholas Godfrey


[Racing Post 2007年3月24日「 HK poison dart sabotage plot: fear of inside job」]


毒矢事件に128,000ドル(約1,500万円)の懸賞金
 

 香港ジョッキークラブは、毒矢による妨害未遂事件に関して警察が捜査中の4人の男の犯行に結びつく情報提供に対して128,000ドル(約1,500万円)の懸賞金を提供することを発表した。

 3月21日、1,200 mの発走地点近くに埋められた発射装置の発見前に、ハッピーヴァレー競馬場近辺をうろついている不審者達が目撃されている。

 警察は25歳から40歳までの4人の中国人が、3月19日夕刻と3月21日早朝発射装置の見つかった現場近くで目撃されたと発表した。

By Paul Eacott
(1ドル=約120円)


[Racing Post 2007年3月28日「$128,000 reward offered in poison-dart case」]

 
負傷騎手基金の老人ホームプラン承認される(イギリス)
 

 負傷騎手基金(Injured Jockeys’ Fund: IJF)がランボーン(Lambourn)地区に元騎手のための老人ホームを十棟ほど建設するという約300万ポンド(約6億円)のプロジェクトは、ウエスト・バークシャー州議会がこの基金に対し、435,770ポンド(約8,700万円)の協力金の支払い要求を取り下げたことで、3月14日夜にようやくゴーサインが出された。

 以前ニッキイ・ヘンダーソン(Nicky Henderson)調教師やバリー・ヒルズ(Barry Hills)調教師が予備の厩舎として使用し、現在は使用されていないバーンハウス厩舎(Bourne House Stables)を老人ホームとして整備する計画は、ウエスト・バークシャー州議会(West Berkshire Council)が同州内で公営住宅等を整備するための協力金として上記の金額を要求したために危機にさらされていた。IJFの最高経営責任者ジェレミー・リチャードソン(Jeremy Richardson)氏は、この要求を「途方もなく莫大な金額だ」と述べた。

 同氏は、3月14日の夜ニューベリー(Newbury)でIJFの理事長オークセイ卿(Lord Oaksey)とブロー・スコット(Brough Scott)会長と共にウエストバークシャー州議会の企画委員会に対し、この慈善事業が住宅販売目的の商業的な整備ではないことを説明した。

 リチャードソン氏は3月15日、「州評議会は公平な公聴会を開き、ランボーンの代表2名が私たちのために力強く弁護してくれました。これは私たちにとって極めて重要なプロジェクトであり、ニューマーケット(Newmarket)やモールトン(Malton)やその他の調教場で同様の企画が生まれる際の模範となることを望んでいます」と語った。建設は今夏に始まり2008年秋までの完成予定である。

 本プロジェクトには介護住宅・管理センター・娯楽施設のほか、居住者ばかりではなく現役騎手や厩務員が理学療法やカウンセリングなどを受けられる治療施設が含まれている。

 ランボーン調教師協会(Lambourn Trainers’ Association)のピーター・ウォルウィン(Peter Walwyn)会長もメンバーとなっているランボーン地区の議会(Lambourn Parish Council)は、この事業により調教用スペースが縮小され、同地区における資産価値を下げる可能性があるという理由で反対してきた。

By Rodney Masters
(1ポンド=約200円)


[Racing Post 2007年3月16日「IJF retirement home plan gets go-ahead」]