※ 以下の内容(衛生条件等)は、日本で馬インフルエンザが発生する前の内容ですので、今後、変更の可能性があります。 JRA馬事部、JRA栗東・美浦トレーニング・センターの競走馬診療所等に、衛生条件・検疫等の現状をご確認下さい。
(1) 重要な日程について
@ 香港への輸出90日〜15日前までに、馬インフルエンザワクチンの基礎免疫または補強接種のどちらかの接種がなければならない。
A 香港への輸出までの14日間に指定された疾病の検査を行うこと。
B 香港への輸出の7日前までに(その時点でその馬がいる国に関わらず)、HKJCの指定の様式による第1回の薬物投与リストをHKJCに提出すること。
C 香港への輸出前の3日から6日の間に(その時点でその馬がいる国に関わらず)輸出前獣医検査を実施し、検査獣医師により、HKJCの指定の様式による検査報告書および最新の薬物投与リストをHKJCに提供すること。
D 獣医検査の後、香港到着までに投与された全薬物リストを、HKJCの指定の様式により書面でHKJCへ提出しなければならない。
注意:多国間移動を伴うワクチンおよび疾病検査に関する条件のため、香港での乗り換えを含む一時的に滞在する馬の入国または香港で登録されている馬の再入国のための、香港特別自治区政府発行「馬情報報告書(Horse Information Document) (2005年11月改正版)http://www.hkjc.com/english/racinginfo/horsemen/handbook_vet.asp?part=8 およびこの後の文章を参照されたい。
「香港国際競走出走馬薬物申請用紙(Medication Declaration Form for Racehorses Travelling to Hong Kong to Compete in International Races)(MDF1)」、「香港国際競走出走馬薬物申請用紙(Medication Declaration Update Form for Racehorses Travelling to Hong Kong to Compete in International Races)(MDF2)」、「香港国際競走出走馬香港入国前薬物申請用紙(Post -Arrival Medication Declaration Form for Racehorses Travelling to Hong Kong to Compete in International Races)(MDF3)」、「香港国際競走出走馬輸出前獣医検査用紙(Pre-Travel Veterinary Inspection Form for Racehorses Travelling to Hong Kong to Compete in International Races)」(2007年6月改正版)は、HKJCのウェブサイト
http://www.hkjc.com/english/racinginfo/horsemen/handbook_vet.asp?part=8
で入手できる。
(2)重要な事項
次の事項については、注意深く読み、よく理解すること
@ 輸出前の扱い
a) 出走する全ての馬は、競走当日、全ての禁止薬物フリーの状態でなければならない。
b) 調教師は、香港で適用されている「競走前に薬物が体内から消えるのに必要な期間」が、他の競馬統括機関によって用いられ/勧告されている期間と異なり、より厳しい可能性があることを理解すること。
c) 薬物を投与する前に、特定の薬物に対して香港で適用されている「競走前に薬物が体内から消えるのに必要な期間」について、国際担当獣医委員(HVR&IL)(Fax: 852-2602-3305)に書面にて説明を求めることは、調教師の責任である。
d) 調教師は、アナボリック製剤、一部のコルチコステロイド、ホルモン、プロカイン・ペニシリン、その他の排泄期間が長い薬物は、投与後数ヶ月の間検出されるかもしれないことを再度認識するとともに、これらの物質全てが馬体内に存在しないことを保証する責任を負う。
A 薬物投与リスト
a)調教師は、薬物投与リストについて、所定の用紙に記入のうえ国際担当獣医委員(HVR&IL)(Fax: 852-2602-3305)に、(その時点でその馬がいる国に関わらず)香港へ輸出する7日前までに提出し、HKJCが受け付けたことを確認しなければならない。
b)そのリストには、香港へ輸出前1ヶ月以内に投与された全ての薬物が記載されていなければならない。また、全てのアナボリック製剤、長時間作用性のコルチコステロイド、ホルモン、プロカイン・ペニシリン、インプラントを含む排泄期間が長い薬物の最終投与日が、記載されていなければならない。このことは、香港へ輸出前に、その馬がいる国に関わらず適用される。
c)HKJC国際担当獣医委員(HVR&IL)あてに提出するための所定の用紙に、最初の薬物申告以降にその馬に投与された薬物を記入し、検査の際にHKJC指定の検査獣医師に提出しなければならない。
d)輸出前獣医検査から香港に到着するまでに投与された全ての薬物は、所定の用紙にて速やかにHKJCの国際担当獣医委員(HVR&IL)に申告しなければならない。
e)重要:投与薬物については、仮にHKJC以外の競馬統括機関の競馬施行規程において、それらが禁止物質に(が)含まれようと含まれまいと、投与された全ての薬物を申告しなければならない。
B 輸出前獣医検査
a) この検査は輸送と出走の適性を獣医学的に評価するための強制的な検査であり、(その時点でその馬がいる国に関わらず)香港への輸出前3日(最短)から6日(最長)の間に検査を実施し、その結果を所定の用紙に記入の上、報告しなければならない。
b) HKJCが指定する検査獣医師が、香港への輸出3日前までに国際担当獣医委員(HVR&IL)(Fax: 852-2602-3305)に、検査報告書および最新の薬物投与リストを送付し、HKJCが受理したことを必ず確認しなければならない。締め切り日までに提出がない場合、輸送申請の承認を妨げることとなる。
C 馬インフルエンザワクチン
a)各国の獣医衛生当局は、帰国時に、異なるプログラムに基づく接種または追加接種を求める可能性があるので、あらかじめこれらを想定した接種計画を立てる必要がある。
b)いかなる馬も、資格をもち登録された獣医師により、以下に定めた方法で、正しく馬インフルエンザワクチン接種が行われたことが証明されないかぎり、香港へ輸送することはできない。
当該馬の出国90日〜15日前までに、4〜6週間隔で少なくとも2回の馬インフルエンザワクチン基礎免疫を終了していることが必要である。
または
基礎免疫後、12ヵ月以内に1回の馬インフルエンザワクチンの補強接種を行なっているか、定められた補強接種後、12ヵ月以内に1回の馬インフルエンザワクチンの補強接種を行なっているか、あるいは、基礎免疫後、毎年、12ヵ月以内に定期的に馬インフルエンザワクチンの補強接種を受けていること。
c)詳細および例外については後述する「香港へ一時的に滞在する馬についての獣医規定」を参照されたい。
D 輸送前検査
a)次の伝染病の検査が、通常滞在している国から出国前の14日以内、(多国間移動を考慮するため)香港到着前の90日以内に行われなければならない。
* 馬伝染性貧血 * 馬ピロプラズマ病
b)詳細および例外については後述する「香港へ一時的に滞在する馬についての獣医規定」を参照されたい。
(3) 出発前・到着後検査、検疫手続、治療処置、薬物検査
@ 国際競走に登録した馬の香港への一時的輸入についての馬衛生条件は、国際競馬統括機関連盟(IFHA)が定める“国際競走登録馬の一時的移動簡便化ガイドライン”の勧告に従って、大きく改定された。
具体的な馬輸入情報は、香港政府のウェブサイト:
http://www.afcd.gov.hk/english/quarantine/qua_ie/
qua_ie_ipab/qua_ie_ipab_ihea/files/vc_horse_temp_nov05e.pdf を参照されたい。
詳しくは、以下の連絡先または各国の馬輸送会社(HKJC指定)に問い合わされたい。
Dr Brian D Stewart BVSc (Hons) MBA
Head of Veterinary Regulation & International Liaison (HVR&IL)
Department of Veterinary Regulation & International Liaison
The Hong Kong Jockey Club
Sha Tin Racecourse, New Territories
Hong Kong SAR, China
Tel: (+852) 2966 6457 Fax: (+852) 2602 3305
E-mail: brian.d.stewart@hkjc.org.hk
出走馬関係者は、遠征に出発する前に、最終目的地を含む全ての滞在国の獣医機関に問合せ、全ての国の馬輸入衛生条件を満たしていることを確認する必要がある。
A 全ての招待馬は、香港へ出発する前に、馬が長距離の陸・空輸送に耐えられかつ輸送による各種疾病を発症する危険性を減じるため、かかりつけの獣医師による血液検査および内視鏡検査を含む獣医検査を受けることが強く勧められる。軽度または潜在的呼吸器感染でも間違いなく輸送により悪化し、出走の可能性を危うくし、さらにその後の健康に悪影響を与える可能性があるためである。
B 全ての招待馬は、香港への輸出前に、(その時、その馬がいる国に関わらず)HKJCが指定した獣医師の厳密な輸出前検査を受けなければならない。この検査の目的は次に掲げる事項を引き起こす可能性がある明確な疾患がないことを証明するためである。
- 出走の可能性を危うくすること
- 競走能力を減退させること
- 競走中に跛行または骨折を引き起こすこと
- 輸送中に健康に悪影響を与えること
この検査における歩様検査は、硬く平坦な地面で曳き馬による速歩で実施しなければならない。また運動器官については触診しなければならない。
C 出発前に投与された治療薬に対して、馬体内に禁止薬物が残存しているかどうかを判断する自主的検査を受けることができる。ただしこれはあくまで助言を与えるだけであり、公式な検査は香港で検体を採取して行われる。これについての詳細はHKJC国際担当獣医委員(HVR&IL)から入手できる。
(※必要であれば出国前任意テストサービス(尿サンプル)を利用できるが、同サンプルは輸出の3〜4日前までに、HKJCの競走馬理化学研究所(Racing Laboratory)に届けるべきである。)
D 調教師が1名以上の厩務員を馬に同行させる場合、調教師がHKJCに反対の書面を提出しない限りは、全厩務員は検査の一連の手続きについて調教師の権限行使の代行が出来ると判断される。
E 香港の検疫きゅう舎に到着した全ての馬は、禁止薬物検査のため血液および尿検体を提出しなければならない。サンプルがこの検査での禁止薬物への陽性反応があった場合、また輸送前薬物リストまたは(輸送中にやむを得ず投与され)香港到着後にすぐ書面にて申告された情報が検査結果と一致しない場合には、出走前のいかなるときにも理事会の完全な裁量において馬の出走が禁止される場合がある。もしその馬がそれらの事情により出走取消しになった場合、遠征補助金(馬の輸送費・関係者への補助金など)および出馬登録料が、HKJCの理事会の裁量で没収される場合がある。
F 香港で出走する全ての馬は、競走の前日に行われる獣医検査に合格しなければならない。この検査は、競走前日の調教後に行われる。
G 競走馬の薬物の詳細情報は、HKJCウェブサイト
http://www.hkjc.com/english/racinginfo/horsemen/handbook_vet.asp?part=3
または、希望によりHKJCの国際担当獣医規則・国際連絡部から入手できる。
(4)予防接種と検疫
@ 馬に接種された全ワクチンについてのワクチン証明書を、HKJCおよび香港政府の検査官の求めにより提示しなければならない。
A 招待馬は指定された検疫きゅう舎に入厩し、調教時間・場所、HKJCと香港政府による書面および口頭による諸注意事項・指示事項を厳守しなければならない。香港に一時滞在している全外国遠征馬については同じ衛生条件を満たしているので、別段の指示がなければ、お互い同じ時間帯に調教馬場を使用することができる。しかし、香港馬については、異なった時間帯に調教を行なう。検疫区域への立寄りはHKJC警備部に登録され、認定された者だけに制限される。
(5) 治療及び禁止薬物
@ HKJCの競馬施行規程は、出走馬禁止薬物フリーを原則としており、出走する全ての馬についてレース前に禁止薬物検査が行われる。また指定された馬についてはレース後も禁止薬物検査が行われる。
A 施行規程により、出馬投票した馬のレース前の検査で、首席分析担当者または彼に権限を与えられた他の分析担当者が、禁止薬物の陽性または陽性の可能性があると報告した場合、理事会は彼らの裁量で当該馬の出走を取消す権限を有する。
B 出馬投票した馬から禁止薬物が検出された場合、その調教師は施行規程により処罰されることがある。
C 香港滞在中、HKJCの獣医委員による事前の許可なしに、競走馬に対していかなる治療も行ってはならない。何らかの治療が行われた疑いが生じた場合、当該馬の調教師または彼に認可された代表者は、HKJCの獣医師に連絡をとらなければならない。香港での競走馬治療に関する多くの特別規程や指示があり、レース当日はいかなる注射、吸入療法、経鼻胃管挿管の治療を競走馬に行ってはならない。また、関節内注射については、レース日前2日以内に行ってはならない。この2日とは、薬物の投与日およびレース当日は含まない。このことは、使用される薬物に適用されるのではなく診療行為そのものに適用される。使用される薬物によっては、投与禁止期間が長く適用されるものもある。
D 香港滞在中に治療行為をする獣医師は、獣医登録法令により、香港獣医委員会に登録されなければならない。この登録には数週間を要する。自ら手配する獣医師が診療したり、特定の獣医師の診療を受ける場合には、少なくとも治療行為の行われる4週間前までにあらかじめ香港獣医委員会に申請すること。この手続きをHKJCの国際担当獣医委員(HVR&IL)がサポートする。
E 香港で適切に登録された外来の獣医師により馬に行なわれる全ての診療治療・処置は、HKJCの獣医師によって監督される。
F HKJCの競馬施行規程に記載されている禁止薬物は以下のとおり
(a) 次の体内組織の1つ以上に影響を与えうるもの:
−神経系 −生殖器系
−心(臓)血管系 −筋・骨格系
−呼吸器系 −血液
−消化器系 −免疫系(病原体に対抗する認可されたワクチン以外)
−泌尿器系 −内分泌系
(b) 内分泌物および類似合成物
(c)隠蔽剤
下記の閾値までは影響しないものとする
| 物質 |
閾値 |
| ヒ素 |
・尿1 ml中0.3 マイクログラムのヒ素 |
| ボルデノン |
・牡馬(セン馬を除く)の尿1 ml中0.015マイクログラムの遊離・結合ボルデノン |
| 二酸化炭素 |
・血漿1リットル中36ミリモルの二酸化炭素 |
| 硫酸ジメチル |
・尿1 ml中15マイクログラムの硫酸ジメチルまたは、 ・血漿1 mlに対し1マイクログラムの硫酸ジメチル |
| 牡馬のエストラジオール(セン馬を除く) |
・牡馬(セン馬を除く)の尿に含まれる遊離・結合5α-エストラン-3β、17α−ジオールと遊離・結合5(10)-エストレン-3β、17α−ジオールの割合が1を超えない場合。 |
| ヒドロコルチゾン |
・尿1 ml中1マイクログラムのヒドロコルチゾン |
| メトキシチラミン |
・尿1 ml中4マイクログラムの遊離・結合3−メトキシチラミン |
| サリチル酸 |
・尿1 ml中750マイクログラムのサリチル酸または、 ・血漿1 mlに対し6.5マイクログラムのサリチル酸 |
| テストステロン |
・セン馬-尿1 ml中0.02マイクログラムの遊離・結合テストステロンまたは、 ・牝馬(受胎馬を除く)-尿1 ml中0.055マイクログラムの遊離・結合テストステロン |
| テオブロミン |
・尿1 ml中2マイクログラムのテオブロミン |
結合物質は結合から遊離できる物質である。
(6) 装蹄
@ 全ての出走馬は四肢にアルミ蹄鉄を装着しなければならない。蹄鉄なしでの出走は認められない。
A 要望すれば、HKJC装蹄師による装蹄を受けることができる。
B 釘で打ち付ける蹄鉄以外の蹄鉄を競走で使用する場合は、調教師は事前にHKJC国際担当獣医委員(HVR&IL)の承認を得なければならない。また、ウェッジや皮革等を蹄鉄と蹄の間に挟ませる場合も、HKJC国際担当獣医委員(HVR&IL)の検査を受け、その承認を得なければならない。
C 必要性があれば接着アルミ蹄鉄の使用も許可されるが、その場合はHKJC国際担当獣医委員(HVR&IL)の承認を得なければならない。接着蹄鉄の装着または再装着は、発走時刻の2時間前からはできないことに注意されたい。
D スパイクや歯鉄等の他馬に危害を与える可能性のあるものの使用は、HKJC競馬施行規程において禁止されている。
E 馬の関係者は自ら手配した装蹄師の装蹄を受けることができるが、その場合はHKJC検疫きゅう舎に装蹄師が到着する予定の3日前までに、HKJC国際担当獣医委員(HVR&IL)まで書面により連絡しなければならない。